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No.127
2010/07/18 (Sun) 03:20:40

[ 歴史 / 洋画(ルワンダ) / 民族紛争 ]

1994年、実際に起こった話。
それなのにどうして、こんなにも他所事、というか、異世界の話のように感じてしまうのでしょう…。
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ルワンダの二つの民族、片は相手を「ゴキブリ」と呼び、徒党を組んで虐殺を始める。
避難民の殺到するホテルの支配人は避難民を受け入れ、二つの民族隔たりなく助ける為に奮闘する。
最初は家族だけでも、という意識から隣人に頼られ、最終的には避難民全員を守る為に、己の力をフル活用する支配人に胸を打たれます。
民族紛争に介入はしない、と決めるのは、その場に居ない、安全な自国にいるお偉いさん。面子とか外交とかそういうものが、人の命より重いなんておかしな話なのですけれど。
でも誰だって自分の命や、自分の家族や、自分の生きる環境が大事なのはしょうがない事で、それを咎めることなんて誰にもできないんでしょうが……。
踊る大走査線で青島さんが言っているように、
「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ」
って、叫びたくなる話です。
やるせないです。

主役であるホテルの支配人ポールと、米国カメラマン(?)の交わした会話が、忘れられません。

虐殺シーンをビデオに収め、報道されるだろう、という時の会話。
ポール「これを見て、私達を助けに来てくれるでしょう」
カメラマン「テレビで見ても、「可哀想」「怖い」と言いながら、食事をする」
……というような場面。

確かにその通りで。
今だって、日本国内で色んなやるせない事件が起こっていますが、それすらも他所事で、ドラマみたいなものに感じてしまって、本当に現実感がない。
「可哀想」「ひどい」「物騒ね」なんて思っても、しばらくすれば忘れてしまうし、記憶の彼方なんですよね。
人の痛みを分かったつもりでいるだけで、そう思えた自分に満足してしまう、というか。
実際に当事者か、自分に関わる人やもの、場所で起こった以外を身近に感じるのは難しい事です。今私がこの映画を見てこんな感想を持っても、明日になればまた記憶の彼方に消えていくのも分かりきっている。

私は主張がぶつかりあって喧嘩になったり、殺し合いになったり、戦争に発展するという事実より、この感覚こそが怖いと感じます。

何時か会社帰りに、宗教活動を行っている団体のアンケートに答えた事がありました。その団体は人類皆兄弟じゃないけれど、「戦争を無くす為に努力をしている」というような話をしていました。
立派な活動だとは思うのですけれど、どうしてもしっくり来なかった私は、
「戦争はなくなると思いますか」
という問い掛けに、否と迷い無く答えてしまいました。
私としてはそうやって素晴らしい主張を掲げていても、団体、として成立してしまっている時点で、それはもう間違いだと思ってしまいます。団体、というだけで、それはもう力です。
そして、違う主張を掲げる団体と、ぶつかり合ったり潰しあったりしないではいられないものだと思うからです。
実際「戦争を無くす為の活動」を行っている団体は何十と存在していると思いますが、根本にある思想は同じなのに活動を別としている時点で、それがもう敵対関係と変らないです。
そしてこれは、今日本の政治で色んな党が生まれていますが、それも同じだと感じています。相容れないというだけで新しい党をどんどん設立して、何になるのだろう。結局分かり合えないそれらは無駄な話合いの時間を取るだけで、妥協点を見つけるにも四苦八苦。ならもう党なんて一つにして、その中で多数決でも何でもとって意見を一つにして欲しい。

……話が脱線しましたが。
私は無宗派ですし、どの神様がどうとか、そういう考えはあまり分かりません。確かなのは目に見えるものだけで、目に見えない存在は曖昧で朧すぎて、人の思想や感覚で幾重にも形を変えてしまうのが怖いとさえ思ってしまいます。
民族も人種も思想も観念も何もかも、どうして一つになる事が出来ないのだろう――。
例え相容れないものがあったとしても、どうしてそのままでいられないのだろう――。


これは、たった十数年前に、実際に起こった話です。
アフリカという自分の世界とはかけ離れた遠い土地で起こった、話です。
たとえ他所事で現実感がなくても、それだけは忘れないでいたいと、思います。


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