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No.106
2010/05/22 (Sat) 14:14:17

[ 洋画(スペイン) / ファンタジー ]

一度日本語吹き替えで見てから、スペイン語訳でもう一度見直しました。
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最初、パッケージや宣伝を見た限り、ナルニア国物語的な、ファンタジー要素ばかりのさ迷い込み型の作品だと思ってましたが、違いました。
ダークファンタジーな上に、1943年?1934年?のスペインの時代を見事に調和させた作品でした。
しかもPG-12作品でした。

<<あらすじ>>
フランコ独裁政権下のスペイン。母親の再婚相手であるヒダル大尉の下へ赴くことになった少女・オフィリアは、薄暗い森の中に秘密の入り口を見つける。


夢見る夢子ちゃんな主人公、オフィリアの不思議の国のアリス系さまよい型ファンタジーかな、と軽く思っていたのですが。
オフィリアを取り巻く微妙な環境というか、周りの大人達の微妙な立ち居地とか。楽しめる要素は多々ありました。
でも、最初――無視を見て「妖精」とぶっこいた時には何事か、と思いました。カマキリとかそっち系の虫が、スペインでは妖精なのか、と。妖精つったらティンカーベルだろ、と軽いカルチャーショック。
やだなぁ、気持ち悪い虫の世界とかだったら、とちょっと憂鬱な気持ちから。
悪魔みたいなパンという生き物が出てきて。目の無い人食いみたいな化け物が出てきたり、軍隊とゲリラのちょっとした小競り合いも出てるから、例えば拷問する場面(ちょこっとですが)があったりとか。
なぁんか、ダーク。
オフィリアに優しいだけの展開にはけしてならない。

ゲリラにも軍隊にも、オフィリアが思う所は何も無い。ただ母親を慕い、優しいスペイン女性メルセデスを慕い、子供らしい夢を持って生きているだけのオフィリアを、大人の思惑が勝手に振り回す。翻弄する。
まさにこれこそ、不毛な戦争で損をするのは子供だけ、という体現です。
オフィリアはゲリラにも軍隊にも傾倒しているわけではなく、ただ自分の大切なものを、生活を、守ろうとしているだけなのに。
それが大人の曇った目から見ると、愚鈍で煩わしい存在に見えてしまう。
義父になったヒダル大尉の性格的なものも大いに関係があったでしょうが、彼と一緒に暮らす事になってからのオフィリアの人生は、不幸満載でした。
――夢見る世界に旅立てたとしても。

誰もが皆、自分の信念を持って何かを得ようとする。それは大人も子供も代わりが無いのに。色んな手段が取れる分、大人は簡単に力を行使する。ぶつかりあった力は勝敗を決めても、けして分かり合えるわけじゃない。それはとても物悲しい事ですね。

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