No.265
2012/06/11 (Mon) 02:35:58
イルミナティ。
所謂『秘密結社』と訳されるそれを、彼らの集団は名乗っていた。
何の事は無い、ただ彼らの筆頭となる男が、格好良いから、という理由で名乗り出しただけで、そこに秘密めいた内情は無かった。
ただ単に殺し好きな連中が集まって、暗殺や用心棒などのきな臭い仕事を請け負っているだけの話だった。
国籍も年齢も関係なく、能力がある、という理由でイルミナにスカウトされたが、彼らはクラウスと同じ様にラピスラズリ患者であり、それ故に社会から爪弾かれた存在だった。
イルミナ――胡散臭い笑みを貼り付けた、クラウスをスカウトした迷彩服の男の通り名だ。
クラウス自らラピスラズリ患者だと名乗った覚えは無い。ただ、その子供にあるまじき戦闘能力を見れば、言わずもがなな事だっただろう。
剣、という通り名の東洋人が言った通り、クレイジードッグは戦場で少しは名の知れた存在だった。
そしてその奔放に戦場を荒らすクラウスが、邪魔な者があった。
イルミナティはクレイジードッグの抹殺を依頼され、確かに戦場からクレイジードッグを抹殺した。
それだけの事だった。
そうとは知らず中東を離れたクラウスの目下の目的は、イルミナの薄ら笑いに一発決める事だったが、己の能力に自信があったクラウスは、そのイルミナティの他の誰にも、敵わない自分を知る事になった。
狂犬は、飼い犬にならないから狂犬なのだ。
そう言って、イルミナはけして己に従わないクラウスを面白がった。
例えばクラウスはイルミナティとして依頼された仕事についても、気に入らないという理由で依頼者を殺す事もあったし、気が乗らない、という理由で対象を逃した事もあった。
それでもイルミナは笑う。
クラウスの目的が何時しか、イルミナの笑顔以外の顔をみたい、というものに変わったのは、けして負け惜しみの故では無い。
ただ単純に、気に入らなかった。
自分の身勝手さを、笑って許す。
その真意の知れない様子が、ただ気に入らなかった。
それでもただ戦場で拳を奮うよりも、イルミナティの活動が思いの外好ましかったのは、イルミナの言っていた通りだった。
所謂『秘密結社』と訳されるそれを、彼らの集団は名乗っていた。
何の事は無い、ただ彼らの筆頭となる男が、格好良いから、という理由で名乗り出しただけで、そこに秘密めいた内情は無かった。
ただ単に殺し好きな連中が集まって、暗殺や用心棒などのきな臭い仕事を請け負っているだけの話だった。
国籍も年齢も関係なく、能力がある、という理由でイルミナにスカウトされたが、彼らはクラウスと同じ様にラピスラズリ患者であり、それ故に社会から爪弾かれた存在だった。
イルミナ――胡散臭い笑みを貼り付けた、クラウスをスカウトした迷彩服の男の通り名だ。
クラウス自らラピスラズリ患者だと名乗った覚えは無い。ただ、その子供にあるまじき戦闘能力を見れば、言わずもがなな事だっただろう。
剣、という通り名の東洋人が言った通り、クレイジードッグは戦場で少しは名の知れた存在だった。
そしてその奔放に戦場を荒らすクラウスが、邪魔な者があった。
イルミナティはクレイジードッグの抹殺を依頼され、確かに戦場からクレイジードッグを抹殺した。
それだけの事だった。
そうとは知らず中東を離れたクラウスの目下の目的は、イルミナの薄ら笑いに一発決める事だったが、己の能力に自信があったクラウスは、そのイルミナティの他の誰にも、敵わない自分を知る事になった。
狂犬は、飼い犬にならないから狂犬なのだ。
そう言って、イルミナはけして己に従わないクラウスを面白がった。
例えばクラウスはイルミナティとして依頼された仕事についても、気に入らないという理由で依頼者を殺す事もあったし、気が乗らない、という理由で対象を逃した事もあった。
それでもイルミナは笑う。
クラウスの目的が何時しか、イルミナの笑顔以外の顔をみたい、というものに変わったのは、けして負け惜しみの故では無い。
ただ単純に、気に入らなかった。
自分の身勝手さを、笑って許す。
その真意の知れない様子が、ただ気に入らなかった。
それでもただ戦場で拳を奮うよりも、イルミナティの活動が思いの外好ましかったのは、イルミナの言っていた通りだった。
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